毎日過ごす空間が良い香りに囲まれているとそれだけで気分がぐんと上がりますね。
スクールやセミナーで「香りのある生活を送られていますか?」
とお聞きすると、多くの方が何かしらの方法で香りを楽しまれていらっしゃいます。
そして、多くの方が取り入れているからこそぜひ知って頂きたいのが、合成香料と天然香料の違いとそれぞれのメリットです。
上手に使い分けることで、生活空間の質を高めるだけでなく、
香りを嗅ぐだけで心身の疲れや不調を緩和したり家族の健康維持に役立てることができます。
合成香料は「人の手で作られた香り」
大きく分けて2つあり、ひとつは
「自然のものから特定の芳香物質を取り出した香料」です。
例えば、お手頃価格で手に入るローズの香りの雑貨品はバラよりも安価に手に入り、
バラと同じ香り成分を含む植物 (ゼラニウムなど)から特定の成分のみを取り出してバラの香りを作ります。
もうひとつは「石油系原料から人の手によって作られた香料」です。
天然香料は植物の生育条件によって香りの質や濃度にばらつきが出てしまうのに対し、
人工的に作られる合成香料はいつでも同じ香りを安定して供給することができます。
また、天然香料に比べて香りの持続力も高いため香水やルームフレグランスにも多用されています。
天然香料は「自然そのものの香り」
「自然界に存在する動植物から抽出された香料」で、
例えば、女性も大好きなムスクの香りは動物性の天然香料のひとつ(雄のジャコウジカの生殖腺分泌物)。
そして、アロマセラピーで使用する精油は100%天然の植物から抽出した植物性の天然香料。
精油1本に含まれる天然の香り成分の数は、少ないもので百数十種類(主に柑橘系)、
ラベンダーやベルガモットなど多いものですと何百種類にも及ぶと言われています。
そして、これら個々の香り成分ごとに
・精神を落ち着かせる心理作用
・身体の機能を高める活性作用
・害虫やウイルスから身を守る免疫作用
・ホルモンバランスを整える調整作用
など、様々な機能を持ちあわせているというのが合成香料にはない天然香料の最大のメリットです。
天然香料を使った「アロマセラピー」
私が専門としているアロマセラピーを直訳すると
「アロマ=芳香」、「セラピー=療法」で、「香りを使った自然療法」という意味。
アロマセラピーでは合成香料は一切使わず、天然香料(精油)のみを使い、心身の不調を緩和するのに役立てます。
「香りがするもの」=全て「アロマセラピー」と思われている方が少ないくないのですが、
一見、同じような香りの印象であっても合成香料と天然香料では私たちへの働きかけは全く異なるのです。
ただし、天然香料は保存料を含んでいないため
・開封後は出来るだけ早く使い切ること、
・高温多湿は避けて保存する
など、合成香料に比べて気をつけなければいけない点もあります。
合成香料と天然香料、上手に使い分けて生活を豊かに
合成香料と聞くだけではあまり良いイメージを持たれないかもしれませんが、
好きな香りを身に纏ったり、生活空間の演出としてしっかりと長く香りを楽しみたい時は合成香料で作られた雑貨品大いに役立ってくれるかと思います。
また、天然香料は単に「ナチュラルな香り」にとどまらず、
多くの付加価値がある素晴らしい産物であることも知って頂けたかと思います。
香りを楽しむだけでなく、自然療法の一つとして心と体のバランスを整え、
自分や大切な家族の健康維持に役立てたいたい時はぜひ、100%天然香料で作られた精油でアロマセラピーを。
合成香料と天然香料、香りを取り入れたいシーンや目的によって、ご自身にピッタリの方法で様々、に使い分けてみてください。
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<参考文献>
日本香料工業会
公益社団法人日本アロマ環境協会
公益社団法人日本アロマ環境協会