ママ自身もお子さんも悩みがつきない「歯」の問題。

特に甘いお菓子を食べ始めたお子さんには注意が必要ですよね。

皆さん、虫歯になるメカニズムはご存知ですか?

また、様々な種類がある歯磨き粉。どのように選んでいますか?

虫歯のおはなしと、身体に良い無添加歯磨き粉の選び方を歯科医師の藤森達也先生にお伺いいたしました。

 

なぜ虫歯になるの?メカニズムとは?

以下(藤→藤森先生、中→ライター中山真見)

中「チョコレートは虫歯になりやすい!などと良く耳にしますが、虫歯になるメカニズムを教えて下さい。」

藤「虫歯の原因は細菌によるものです。1955年にOrlandという研究者が、無菌ラットには虫歯ができないことを報告しました。ミュータンス菌といった言葉をお聞きになったことがあるかと思いますが、Streptococcus mutansという名前の連鎖球菌が糖分を摂取すると、グルカンという粘着物質を産生し、菌が歯に粘着します。このグルカンに他の細菌やそれらが産生した物質なども混ざった白い塊をプラーク(歯垢)と呼びます。プラークの中でミュータンス菌は糖分を代謝して乳酸等の酸を発生させ、この酸が歯を溶かします。これが虫歯の主なメカニズムです。

中「プラークになりやすい食べ物はどのようなものがあるのでしょうか?」

藤「砂糖です。虫歯の原因菌にとって最も代謝をしやすい糖の一つで、主成分はショ糖(スクロース)と呼ばれる糖です。最もプラークや酸を作りやすいと言われております。ショ糖などに代表される二糖類やブドウ糖、果糖等の単糖類は、細菌にとって最も良い栄養となってしまいます。WHOが2003年に発表した報告では、遊離糖、いわゆる砂糖をはじめとする精製した糖分の摂取量および頻度が、確実に虫歯リスクを増加させると定義しています。

一方でデンプンも多糖の一種ですので、酸を作る原因となりえますが、Axelsson先生らの調べでは、2.5%の砂糖水は口腔内pHを4.5まで酸性に傾けるのに対し、デンプンは5.5~6までしか酸性に傾けません。歯はpH5.5以下の酸性で溶け始めますから、デンプン自体の虫歯リスクはかなり低めかと思われます。

それと、唾液は酸を緩衝、わかりやすく言い換えますと中和と似たような効果があることから、虫歯のリスクを下げる様々な効果があります。

こういった観点で考えると、砂糖を減らすことは極めて重要で、それに代わる栄養として、白米やパン等を摂取することは非常に良い選択かと思われます。また、玄米などのように咀嚼に時間をかける穀物は、唾液の分泌も促進しますので、白米以上に虫歯リスクを下げられるかもしれません。2014年にMoynihanという研究者がまとめたWHOの報告でも、砂糖の摂取量を一日の摂取カロリーの5%以下、およそ25g以下におさえ、穀物による栄養の割合を増やすよう提言しております。

キシリトール等の糖アルコールは細菌の代謝を妨害する効果もあるため、単純に細菌の栄養とならないだけでなく、砂糖を摂取した際の虫歯リスクを低下させることができます。」

 

中「虫歯の原因は砂糖なんですね。では、どのような虫歯対策をすれば良いのでしょうか?」

藤「やはり歯磨きが大切です。あと、虫歯対策で重要なのは、砂糖のみならず、天然由来の糖分は全て虫歯の原因となりえることを認識することです。科学的な言い方ではないのですが、天然由来で体に良い栄養は、細菌にとっても良い栄養となりえるのです。それゆえ、糖分全般を摂取したら、必ず早めに口をゆすいで口腔内の糖分の濃度を薄めること、プラークが蓄積しないように歯磨きをすることが大切です。

 

中「では、糖類を全く摂らないと虫歯にならないということですか?」

藤「はい。糖類を全く摂取しなければ、理論上虫歯にはなりません。しかしながら、糖類は人間にとって必須の栄養素ですので、全く摂取しないことは困難です。とはいえ、最も虫歯リスクが高い砂糖を避け、栄養としての糖類を穀類を中心としたデンプンで摂取することで、虫歯リスクを下げることは可能です。」

 

歯磨き粉に使用されている添加物とは?

 

中「先ほどのお話しで、歯磨きをするのが一番の予防と仰っておりましたが、歯磨き粉にはたくさん種類があり、成分表を見ると多くの添加物が含まれているのが気になります。添加物のそれぞれの役割や害を教えてください。」

 

藤「それでは役割別にみていきましょう。

虫歯菌を殺す添加物

→世界的にはクロルヘキシジンという添加物が使用されており、虫歯予防における有効性が証明されておりますが、日本ではごく一部の製品にしか含まれておりません。他にはラウロイルサルコシンナトリウムイソプロピルメチルフェノール等が使用されております。

歯周病菌を殺す添加物

→先に挙げた虫歯菌を殺す成分は歯周病菌にも有効なため、虫歯予防、歯周病予防の双方に効果があると謳われております。

歯を白くする添加物

→純粋な漂白作用を有する添加剤は、私が知る範囲では歯磨き粉に添加されていないかと思います。日本で認可されている歯を白くする添加物は、表面を削る作用によって汚れを取り除くタイプのものが主かと思います。

口の中をさっぱりさせる添加物

→ミント味の元であるメントール等が含まれております。後述しますが、虫歯予防の観点からは最も無益なな物質かと思われます。

味を付ける添加物

合成甘味料サッカリン等が含まれております。また、フルーツフレーバーを付けるために、様々な合成香料が使用されております。稀ではありますが、天然のフルーツの成分が含まれていた商品もありましたし、ナスの黒焼きが含有されている製品もあります。

・ 表面をけずる添加物

炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、水酸化アルミニウム等が代表的です。また、初期虫歯を治療するための再石灰化作用と研磨作用を兼ねて、ハイドロキシアパタイトという歯の主成分を添加した商品もあります。

・腐らないために使用する添加物

防腐剤としてパラベン等の成分が追加されております。腐敗による健康被害を防ぐ上では重要な成分ではあります。

 

中「こんなにたくさんあるんですね。特に良く配合されているキシリトール、フッ素、研磨剤の影響について詳しく教えてください」

藤「キシリトールですが、時々合成甘味料(人工甘味料)と誤解されている方がいらっしゃいます。ですが、本来はカバの木等に含まれる天然由来の糖アルコールです。ただし、カバの木やその他植物に含まれるキシリトールは量が少なくコストが高くなりがちなため、綿の実やトウモロコシ等を原料として、分解、還元して精製されております。単純に虫歯の原因菌が栄養として利用できないだけでなく、菌の代謝を阻害することでプラークの合成を阻害する作用があり、虫歯予防に効果的と謳われております。

フッ素は歯の主成分であるハイドロキシアパタイトに作用して、虫歯菌の作る酸に対して溶けにくいフルオロアパタイトを生成します。本来は歯磨きこそが虫歯予防の第一歩なのですが、歯の隣り合わせの面などは歯ブラシが届かないため虫歯リスクが高いです。こういった場所においてはフッ素は非常に有効です。

フッ素は使い方が大事です。アメリカでは多くの州の水道水にフッ素が添加されていますが、このような経口摂取では濃度によっては斑状歯と呼ばれる歯のフッ素症や骨粗鬆症などの副作用が発生することがあります。歯科医院によるフッ素塗布や自宅で行うフッ化物洗口などは経口摂取と比較してこれらの副作用が発生するリスクが少ないため、個人的には推奨しております。

研磨剤の中には、ポリフェノールをはじめとする強固な着色を除去できるものも存在しますが、これは同時に歯の表面も削り取ります。製品ごとに使用頻度に関する注意が記載されておりますので、これを守らなかった場合は歯の異常な磨耗などが生じる恐れもあります。」

中「自分に合った歯磨き粉選びをすることが大切ですね。」

藤「ちなみに虫歯は他人にうつるというお話をご存知でしょうか。1960年に発表されたKeyesらの研究では、虫歯のない無菌ラットと虫歯のあるラットを一緒に飼育すると、無菌ラットにも虫歯が発生しました。ヒトにおいても同様で、虫歯の原因のミュータンス菌は生まれたての乳児の口の中には存在しませんが、食器の共有や口移し、接吻などによって伝播します。ただ、通常の日常生活を送る上で虫歯菌の感染を防ぐことは非常に困難なので、砂糖の摂取量を制限したり、歯磨きやフッ素による予防を行うほうが現実的です。」

中「この情報はママさん、知っておくべきですね!歯磨き粉は何歳から使うべきなのでしょうか?」

藤「歯磨きは物理的にプラークを落とすことが主目的なので、歯を削らない程度の弱めの研磨剤さえ配合ざれていれば十分です。それどころか、1990年代はむしろ歯ブラシの清掃効果だけでも十分という考え方すらありました。他には歯磨き粉に含まれる香料が、偽のさっぱり感を生むこと、発泡剤により口腔内がいっぱいになり、必要最低限の歯磨き時間が確保できなくなるなどの理由で、私が歯学部生の時代には、歯磨き粉不要論も教育されてました。しかしながら近年ではフッ素の虫歯予防効果が再評価され、歯磨き粉のフッ素をどのように活用するかが注目されております。

ちなみに歯磨き粉には対象年齢があるのをご存知でしょうか。虫歯予防におけるフッ素の有用性から、2017年3月より歯磨き粉に添加されるフッ素濃度の上限が1000ppmから1500ppmに引き上げられました。しかしながらこれら高濃度フッ素の製品は使用上の注意において、6歳未満の小児には推奨しない旨が記載されていたりします。6歳未満は顎の骨の中で永久歯の歯冠が作られている最中ですので、歯のフッ素症を防ぐ上ではこのような配慮も大切かと思います。

子供向けの歯磨き粉も多数発売されておりますが、最低限口をゆすぐ事ができるようになるまでは、歯磨き粉の使用には慎重である方が良いかと思います。個人差もありますが、2歳前後で口をゆすぐことができるようになるかと思います。」

 

中「身体に影響のある成分は避けて、しっかりと歯を磨くことが大切なんですね。」

藤「発泡剤香料は添加物の中でも意味がないどころか、有益でない成分かと思っております。これらが含まれていない中で、研磨成分の必要性等を検討して選択していくのがよいかと思います。また、フッ素に対するスタンスも大切な項目かと思います。個人的にはフッ素は虫歯リスクが高いグループに向いているものだと思いますが、砂糖摂取を抑えて玄米食を好むマクロビオティックの方などは、WHOの基準に照らし合わせても虫歯リスクが低いです。こういった方はフッ素無添加の歯磨きを使用しても、虫歯リスクは極端に上昇するわけではないかと思います。

また、フッ素は歯磨きで使用するか、うがいで使用するか、歯科医院で塗ってもらうかの選択肢があります。それぞれのやり方をポリシーやライフスタイルに合わせて選択することが大切かと思います。」

 

<まとめ>

お子さんの歯と健康を守るためにママができること

①必要以上の糖分を与えずに、食べたらしっかり歯を磨く

②歯磨き粉は口をゆすげる月齢になってから。お子さんの歯の状況に合わせて歯磨き粉を選ぶことが重要ですね。

予防レベル低→ブラッシングのみ

予防レベル中→キシリトール

予防レベル高→年齢に合った量のフッ素や研磨剤

 

ViOオススメの無添加歯磨き粉5選

・子供におすすめの歯磨き粉

天然由来成分100%の歯磨き粉。

全成分・・・グリセリン(保湿剤・甘味剤、パーム椰子由来)、水、乳酸球菌培養エキス(清掃助剤)、ナツミカン花水(香味剤)、ウメ果実エキス(清掃助剤)、キサンタンガム(増粘剤、トウモロコシ由来)、オレンジ油(香味剤)、レモン果皮油(香味剤)、ユズ果皮油(香味剤)、セイヨウハッカ油(香味剤)

 

 

・キシリトール入りの歯磨き粉

合成界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)、サッカリン、防腐剤等の化学物質、フッ素・研磨剤不使用の歯磨き粉。

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・ホワイトニングをしたい方に

発泡剤や合成保存料、界面活性剤、人工香料、人工着色料は不使用。

研磨剤として歯の表面に付着した汚れを穏やかに除去し、ツルッとなめらかな使用感を得られるとともに、 コラーゲンの生成をサポートし、歯茎を健やかに保つ効果もあるバンブーパウダー配合。さらに乳白剤としての機能も持ち、歯本来のクリアな白さをもたらす、天然ミネラルの一種であるシリカを配合。

 

 

 

藤森先生プロフィール

・藤森達也

・東京医科歯科大学院卒修了、歯学博士取得、インプラントを専門にクリニックや講師として活躍中。